一回戦

一回戦






部屋の天井を見た



通路では誰かの声を聴いた



ふらふらしていた



長い時間のようだった



また誰かの声を聴いた



そうだライトだ



幾つも連なるライトを見た



いやひとつだったかもしれない



まぶしかった



ガキの頃海に行った



ひとりで砂浜に寝転んだ



冬の初めの太陽を見た



負けたくないと思った



ゴングは鳴った



あぁ



オレは負けたんだ








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