ものの値打ち

ものの値打ち






干涸らびたミイラが



王冠をつけ眠っている



書類をかじるネズミが



社長の椅子に座っている



糸屑のような絵画が



我が物顔で壁にかかる



数式と記号の薬品が



ベッドの食膳に並ぶ



寸分狂いなき世辞が



薄暗い階段をつくる




値打ちのないぼくが



一体なんだというのだ







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