牛供養

牛供養






あのこたちは



なにも言わず



土に眠った



涙雨は幾度



土を濡らしたか



あのこたちは



それでもきっと



なにも言わず



芽吹くことだろう



名も知らぬ草になり



駆け回ることだろう



だからわたしたちも



負けてはならない



侵された臓腑なぞに



負けてはならない



土のぬくみを



その手に握りしめて






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