暦が用をなさなくなって



途方に暮れている所へ



実直勤勉な日の出が



新しい暦を持ってきた



いつだったか俺は断り



もう持ってくるなと言った



果たして聞こえなかったのか



聞こえないふりだったのか



その後も変わることもなく



毎年暦を渡された



もしも俺がいなくなったら



日の出はどうするつもりだろう



それでも主(あるじ)のいない部屋に



暦を持ってくるのだろうか








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