遠くの花

遠くの花






目の前の甘い汁ばかり



すすって生きて参りました



遠くの花へ行こうともせず



羽根は飾り物のようでした



だからこうして捕えられ



胴からかぶりつかれています



飛ぶ必要なんてないと



高をくくっておりました



それで突然空へなど



飛べるはずもありません



この期に及んでばたばたと



力無く羽ばたいております







詩集『ふじちょう』をamazonで購入