うらん
海沿いではいつも
うらんはひとりぼっち
塀に囲まれた中で
潮騒を聞いている
カモメの鳴き声がすると
磯の香りが迫ってくる
波がのたうつ日には
いつものカニも現れない
ぼうっとしていればいいと
作業服の人に言われた
だからもうずいぶん長く
ぼうっとして火照っている
時々なんだかうずうずして
暴れ出しそうになると
作業服に怒られるから
やっぱりぼうっとしている
ひとりぼっちで
ぼうっとしている
生きるのはなぜ苦しいのだろう、つらいのだろう。いや、だからこそ喜びを感じ得るのだ。闇があるから光が分かる。この世はあなたが必要だ。感情回復『詩的ぶるぅすメソッド』申込はメッセージフォームから。