千代紙

千代紙






簡単な言葉さえ



言えないのはなぜ



迷惑をかけるから?



傷つけてしまうから?



そんなものはウソだって



とっくの昔に知っている



傷ついてしまうのは



この胸の内にあるもの



千代紙で鎧をつくり



幾重にも身にまとう



勇んでみたところで



夜露が浸みるだけ



これを脱ぎ捨てて



立ち向かえるだろうか



ぼろぼろの千代紙を



またひとつ剥ぎ取った








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