舟に翼を

舟に翼を






泥の舟に乗って



どこへ行けるだろう



舟底は溶け出し



沖へと流れゆく



残された私は



波の間(ま)にたゆとう



最後にもう一度



会いたい人がいた



カモメが空を切り



影が無き舟を追う



私は陸(おか)の上にいて



泥の舟をつくっている



この舟に乗って



どこへ行けるだろう



それともカモメよ



その背をかしておくれ







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