カプセル

カプセル







地下四百メートルで



カプセルに乗り込んだ



人ひとりの空間で



じっとその到着(とき)を待つ



直立不動の体勢で



金属の壁を見つめてる



もうすぐだもうすぐだ



念仏のように口に出る



完成が沸き起こり



ついにその到着(とき)はきた



きたはずなのになぜ



扉はひらかないのだろう



やがて歓声は消え



また金属の壁を見る



このまま雲を突き抜けて



宇宙へ行ってしまうのか



カプセルの窓からは



渡り鳥が見えていた







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