コンクリートの抜け殻

コンクリートの抜け殻







もう成長することもなく



ただじっとへばりついている



コンクリートの壁の溝に



温度のない足をかけている




本当の自分はきっと



この背中を破り出て



色が抜けた僕を残し



どこかへ飛んでいった




そんなのはいやだと



乾いた足をぎりぎりと



必死で動かしたときに



びゅうと九月の風が吹く








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