ひとつぶの火の粉

ひとつぶの火の粉







人間は大昔から



獣に追われていたから



完璧な安心を得ても



しばらく時間が経つと



不安が芽生え始め



落ち着かなくなってしまう



だから少しくらいは



火の粉がかかる方が



立ち向かっていられるだけ



気持ちを保てるのだ



ひとつくらい火の粉を



握りしめておくのだ









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