冬の蜥蜴

冬の蜥蜴







ちぎれたしっぽを



風にさらしながら



夜の目黒通りを



よろよろ下ってゆく



どの石陰もみな



凍るように冷たく



いい塩梅の所は



ここらには無いのだ



冬の星座だけが



毎晩の宴にも



飽きる気配なく



きらきら騒がしい



支那そばの窓は



客のいない絵はがき



それでも主人は言う



これしかないからね










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