押される

押される







後ろを振り替えると



これまでの道のりが見える



戻ろうと体を向けると



透明な壁が立ち塞がる



ついさっきまでの道にさえ



手も触れることができない



ましてその透明な壁は



どんどん押し出してくる



こちらはなすすべもなく



押されながら先へゆく



過去は目に見えるのに



どんどん遠ざかってゆく



ときどき両の手のひらで



むなしく壁をたたいてみる










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