直線の先

直線の先







踏切が鳴り終わって



人と車が動き出す



ぼくはその途中でふいと



線路の上で立ち止まる



延びる直線の先を見れば



小さくなってゆく銀の箱



その箱は誰にも邪魔されず



ゆったりと消えていった



ぼくはこんなふうに真っすぐに



歩んだことがあるだろうか



それはぼく自身の終着駅へ



続いているはずのみち









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