見て見ぬ濁流

見て見ぬ濁流






世の中の汚濁が


どろり渦巻いている


泳げる者はいいが


そうではない者はつらい


高い所に逃れて


ひと息つければいいが


飲み込まれた者は


狂気の扉をあける


包丁を握りしめ


まだ若い翼を刺し


うすら笑いを浮かべ


赤い何者かを吐いた


世の中の汚濁が


どこから流れているか


もはや当たり前すぎて


誰も見てはいない









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