砂嵐に射すもの

砂嵐に射すもの






ひどい砂嵐の中


さまよい歩く人々


行く宛てなどあるのか


目もあけられないのに


ただ足を出すだけが


生きていることの実感


それなのに足跡はみな


すぐにかき消されてゆく


こんな時代にどうやって


生きていけばいいのか


誰も無口になって


そぞろに歩くばかり


ただひとり少女が


狂ったように笑った


みな顔を上げた時


霞む太陽が見えた














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