詩体になって

詩体になって






ぼくは詩体(したい)になって


西の方へと向かう


言葉を発するでもなく


文字を刻むわけでもなく


体そのものを使って


東から西へと行く


列車のシートにもたれて


窓の絵は繰くられる


睡いまぶたをあければ


見慣れぬ人の群れ群れ


それはすべて詩体であり


好き勝手に表現している


ぼくはその中に混じって


心の奥で喜々としている


詩体は詩体の中で


快く反応するのだ











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