赤の行く先

赤の行く先






湖面に舞い降りたのは


二枚の真っ赤なもみじ葉


一枚は湖面を漂い


朽ちるまでそこで過ごした


一枚は流れ出る川に


くるくる吸い込まれた


激しく岩にぶつかったり


滝壺に呑まれたりした


どちらが良い一生なんて


どうして決められるだろう


舞い降りる場所など


もみじ葉には選べない


まして流れる先など


どうして知りうるのだろう


たとえどこであろうとも


もみじ葉はただただ赤く












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