レース

レース






階段に座り込み


白黒の文字を追う


その目はどこか澱んで


焦点さえ合っていない


人生を左右したのは


レースだったのだろうか


勝てていれば果たして


変わっていただろうか


館内の放送は絶えず


的確に状況を伝える


まるで神の啓示のように


あるいは悪魔の声のように


人生を左右したのは


レースだったのではない


階段から立ち上がり


外へ踏み出す意志だ











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