座る石像

座る石像






石像は動かず


陽を浴びている


ハトがよぎっても


知らん顔をする


からだのあちこち


傷を帯びている


ヒビがところどころ


深みを与えている


動乱の時代を


くぐり抜けてきた


しわいぱいの目が


物語りを始める


夕暮れの鐘が


雲を押しのけた


石像は顔を上げ


のそと家路についた










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