濡れたこころ

濡れたこころ






雨の中に手をかざし


あなたのことを思い出す


しっとりと濡れた手が


ぼくのこころに触れてくる


濃い色の葉の上を


滴(しずく)が流れ落ちている


ひとつぶそのひとつぶは


もう二度と戻らない


薄曇りのにおいには


うっすら光が混じってる


そんなことを知ったのは


にがい味を覚えた日


さようならさようならと


雨はまだ降り続く


ぼくのこころのその跡も


しっとりとして濡れている









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