墨色の涙

墨色の涙






墨色(すみいろ)の涙が


頬を伝った


ぽたりぽたりと


白い紙に落ちる


わたしは四半時


何も書けずに


黒い染みだけが


広がっていった


憎しみ合いは


遺伝子のように


我々の奥底に


潜み続ける


いつになれば


乾くのだろう


涙を拭うしか


ないのだろうか







2015.3.8

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