砂から少し顔を出し


周囲を見渡してみれば


限りなく空が広がり


海の境目はどこへやら


弓なりの波打ち際と


松の林の黒みどり


わたしはひ弱な鯏


幾度流されたことだろう


いまこの何もない浜で


息を吸っては吐いている


また大波が寄せるまで


わたしはここに居るのか


あの岬の向こうへと


行ってみたいと思うのだ






2015.2.27

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