平均台

平均台






体育館の隅に


横たわる平均台


誰もいないから


夕陽は音もしない


ぼくは片足をかけ


平均台に上がった


ゆっくり歩を進めて


反対側へと渡った


ぼくはこれから先


何度となく渡るだろう


その度に平均台は


高さを増してゆくだろう


天上を越えて


屋根も木も越え


ぼくは恐ろしくて


渡ることができない


みんな何気なく


渡っているけど


それはただ単に


知らないからだ


足を踏み外せば


真っ逆さまなのに


だけどもしかしたら


正しいかもしれない


平均台は平均台


変わりはしない


体育館の隅に


あった時のまま


ぼくは振り返り


もう一度踏み出した








2015.1.24

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