砂塵の水

砂塵の水






からだに巻かれた


プラスチック爆弾


少女は無表情で


最期の空を見上げた


神のためにその身を


捧げるという台詞は


指先をおっ立てた


演説者の口から出る


喉が乾くと彼は


旨そうに水を飲んだ


少女が冷たい水で


潤す器官はもうない


砂塵が湧き立つ中


鳩が空へ連れ去った







2015.1.12

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