呼び声

呼び声






いつから母は子を


抱きしめなくなったのだろう


呼べども呼べどもあぁ


こころはどこかへ行ってかえらない


温もりも知らぬまま


子はひとり舟を漕ぎ出してゆく


泳ぎ方も知らぬまま


荒れる波の中へ入ってゆく


それでも母はまだ


うっとり星空ばかり見つめる


離れてゆく我が子に


気づくことなくうっとりしている


いつかまた母は子を


抱きしめるようになるのか


呼ぶしか呼ぶしかあぁ


こころは振り向きはしない








2013.9.16

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