海が見えた車窓から

海が見えた車窓から





この一筋の畝(うね)は



茫々(ぼうぼう)と海沿いを走り



盛り上がり具合はまるで



鮮烈な蚯蚓(みみず)腫れが



体に残ってしまったようで



痛みも痒みも無いのに



疼(うず)くような熱さがまだ



一筋の中に残っていて



ほんの数えるほどの季節



この上をどれほどの眼差しが



走り抜けていったかと想うと



見えない車窓からわたしも



眼を細めてしまうのです





 

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