紅碧(べにみどり)

紅碧(べにみどり)





なんの嘘偽りもなく



広がっていたはずの



真っ青な早秋には



小指の先ほどの



紅が混じっていた



文明の機器でもって



切り取って初めて



気づくなどというのは



まだまだ青き者の



明らかなる証拠で



草蔭の雀らとともに



空の中へ飛び立って



紅をひとつまたひとつ



口の中へ放り込み



この身を赤く赤く



通(かよ)わせてやりたい






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