砂の窓

砂の窓







窓が砂に軋(きし)んで



うまく開けられない



波たちが海の上で



会話するのが聞こえる



肌寒い海の家には



カモメたちが戯れる



いつでも帰っておいで



そう言ってくれたはずの



遠い夏の日のことを



掴んだ砂が覚えてる



ぼくはきっと大人に



大人になりすぎたんだ



そうんなふうにつぶやくぼくは



やっぱりまだあの日のまま








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