四角い月

四角い月







溜息をつきながら



夜の電車に揺られてる



数少ない改札を



争って出る気もない



最後になるのを待って



外の空気に触れてみると



惨めな頃の日のことを



あぁまた思い出してしまった



言い争うこともせず



いいひと気取りのイエスマン



ビルとビルに囲まれた



四角い空には丸い月



どこか広いところへと



抜け出る道はあるだろうか



四角いつきはこの僕を



今宵も静かに見下ろしている








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