ガラスのキスマーク

ガラスのキスマーク







秋桜(コスモス)が咲き乱れ



小鳥が隠れては飛び



西陽(にしび)が風を冷たくして



恋人たちは灯(ひ)の下へ



もうすぐこの高原に



冬の照明が落とされる



列車は白いキャンバスを



音もなく切り裂くだろう



穏やかな春の日は



遠く暗い雲の中



それでも淡い思い出は



小鳥のように見え隠れ



悪戯に二つキスマーク



ガラスの外は星待ち夜(よ)







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