熱のない掲示板

熱のない掲示板







顔のないシュプレヒコールに



拳を振り上げ空(くう)を切る



熱のない烈火炎上に



なすすべもなく窓を下ろす



お釈迦様は手の上で



平然と覗き込んでいる



雲が雲を呼び集め



虹さえも折れ曲がる




軒下に垂れた干柿は



色鮮やかに味はなく



冷たい両手を押し戴き



季節外れの雪を受ける



八百万(やおよろず)の神よもうこの世に



嘆き合える相手さえいない



捨てる勇気がないばかりに



捨てる勇気がないばかりに









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