天の気まぐれ

天の気まぐれ







十年かかって登った



そのつもりでいたのに



ほんの山の裾野しか



まだ登り切れていない



無駄といえば無駄であり



上々といえば上々である



このまま天嶮を目指し



ゆくならゆけばいいが



一度ゆくが最後で



もう戻ることはできない



いっそ裾野さえも降り



別の山の裾野へと



ゆるゆる向かうもまた



いいものかもしれない



どちらかを決めるのは



どうせ天の気まぐれで



こっちはただひたすらに



ゆけるところをゆくだけよ









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