冬の月

冬の月






冴え冴えとした冬の


透き通る浅葱の空


十六夜の月がぽかんと


白いままで浮かんでいる


夜を寝すごした月は


まだ夢の中にいるのか


太陽はいじわる者のように


朝の光りをぶつけている


寒気の日々は人類に


熱というものを与えてきた


時に熱は暴走をして


幸福を奪うこともあった


火が消えた空にはまた


冴えた月が浮かんでいた


冷えたからだを寄せ合い


幸福は芽生えてゆくのだ













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