月酔い

月酔い






自分がなにものか


知る者はいない


鏡に映るのは


形と色だけ


なぜこんな顔して


なぜこんな眼鏡で


なぜ重いカバンを持ち


なぜよろよろと歩き


おいしいもので喜び


怒鳴られてへこみ


酒を飲んでは酔い


月を見てかなしみ


こんなのが自分か


そんなはずはない


ではいったい自分は


なにものであるのか












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