一歩の先に

一歩の先に






おじいさんが歩く


一歩一歩ゆっくり


踏切の遮断機が


その歩みを止める


電車が通り過ぎ


遮断機があいた


おじいさんがまた


一歩一歩進む


ぼくは目を離して


遠くの白雲を見た


その雲はゆるやかに


形を変えていった


ぼくが目を戻すと


おじいさんはいなかった


はるかはるか先に


歩んでいるのを見た











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