黒い手

黒い手






一羽の鶴が飛び立つと


脚に何か絡まった


力一杯羽ばたいても


地面は近いままだった


鶴は飛べるはずなのにと


ずっと羽根を動かした


ついに疲れてばったりと


地面の上に突っ伏した




鶴は自分の脚を見た


黒い手が掴んでいた


それは過去のしがらみが


形になったものだった


鶴は自分のくちばしで


その黒い手を切った


疲れが癒えれば今度こそ


大空へ羽ばたくだろう










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