家をなくした犬

家をなくした犬






爆風がすべてを


吹き飛ばしたような


何もない平地を


よろよろと歩いている


倒れそうになって


もういいやと思っても


いい匂いがする方へ


足は引きずられる


くっきりとした青空が


果てしなく続くのを


かなしげな目を上げて


見つめていたときに


ご飯だよと大声で


叫ぶ声が聞こえて


わけもわからにうちに


涙があふれるのだった








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